ピボット(Pivot)

J・W・ワイルダーによって考案されたテクニカル指標で、前日の価格を用いて当日のサポート(支持)/レジスタンス(抵抗)水準を予測しようという指標です。
デイトレーダー向けの分析指標といえます。

ピボットの作り方・見方

ピボット(Pivot)は、ここまで下がったら買い、ここまで上がったら売りという、逆張りのためのテクニカル指標です。
トレンドが明確なときもそうでないときも有効です。また、損切りのポイントも用意されているので、予期せずにトレンドが発生したときにも対処できます。発想は非常に単純ですが、実践の取引ではかなり使えるツールとなっています。

ピボットとは旋回とか回転する軸を意味する言葉で、ピボット・ポイント(高値・安値・終値の平均値)を中心に、ある値幅を回転させてその他のポイントを割り出します。
開発者のワイルダーは、ピボットのことをリアクション・トレンド・システムと呼びました。マーケットがリアクション・モード(トレンドのない局面)にある限りは「下落したら買い、上昇したら売り」というスタンスでよいが、トレンド・モード(トレンドが発生している局面)に突入した場合はポジションをクローズしなければならないという意味です。

ピボットの目的は、その時のマーケットの潜在的なテクニカル・ポイントを割り出すことだと考えられます。
その時のマーケットの勢いが強いのか弱いのか、また、目先のテクニカル・ポイントがどこになるのかを探るのです。
主にイントラデイ・トレードで使う技法で、基本的に値幅を重視しますが、値動きの速度や勢いを用いて取り引きするとも考えられます。

ピボットの計算方法

ピボットの計算方法
基礎から学ぶデイトレード~マーケットを理解するための思考術
133ページより引用

ピボットの各ポイントの算出方法は上図の通りですが、ちょっとわかりにくいので補足説明します。

■基本となるピボット・ポイント[P]
前日の終値[C]・高値[H]・安値[L]の平均値のことです。
すなわち、

ピボット・ポイント[P] =
   ( 前日の終値[C] + 前日の高値[H] + 前日の安値[L] ) ÷ 3

■買いポイント[B1],[B2]、損切りポイント[LBOP]

買いポイント[B1] = ( 2 X ピボット・ポイント[P] ) – 前日の高値[H]
買いポイント[B2] = ピボット・ポイント[P] – 前日の高値[H] + 前日の安値[L]

そして、これら買いポイントからの損切りポイントとなる、
LBOP:Low Break Out Point (ローブレイクアウトポイント)の計算式は、

LBOP = ( 2 X ピボット・ポイント[P] ) – ( 2 X 前日の高値[H] ) + 前日の安値[L]

■売りポイント[S1],[S2]、損切りポイント[HBOP]

売りポイント[S1] = ( 2 X ピボット・ポイント[P] ) – 前日の安値[L]
売りポイント[S2] = ピボット・ポイント[P] + 前日の高値[H] – 前日の安値[L]

そして、これら売りポイントからの損切りポイントとなる、
HBOP:High Break Out Point (ハイブレイクアウトポイント)の計算式は、

HBOP = ( 2 X ピボット・ポイント[P] ) – ( 2 X 前日の安値[L] ) + 前日の高値[H]

以上のように算出されます。

各ポイントの使い方(参考)

基本的には、
S1~S2のレンジは売りゾーン
B1~B2のレンジは買いゾーン
HBOP以上になった場合、売り玉を手仕舞い(損切り)
LBOP以下になった場合、買い玉を手仕舞い(損切り)

価格が[B1]まで下がれば買い、さらに[B2]まで下がればまた買いますが、そのまま[LBOP]を割り込んでしまえば、その時点で損切りして手仕舞いします。
売りの場合も同様に、[S1]と[S2]で売って、[HBOP]で損切りして手仕舞いする。
利食いのポイントとしては、[B1]で買ったときには[S1]で売り、[B2]で買ったときには[S2]で売るなど、ルールを決めて行う。

参考資料
『基礎から学ぶデイトレード』 林 康史(著)
マーケット雑感&ピボットの作り方・見方
実戦FXブログ リアクションモードとトレンドモード

「ピボット(Pivot)」への1件のフィードバック

  1. pivot pointの日本語での説明が詳しく載ってるサイトを探していてようやく貴ブログにたどり着けました。
    英語ではたくさんあっても日本語は少ないですね。ありがとうございました!!!

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